• マーク・ケイ

霊障を疑う前に

最終更新: 2019年8月3日




お盆中はテレビで、いわゆる「心霊」を扱った番組が何本か放送されていたようです。


放送中から放送直後は、「オーブ」などのキーワード検索でこのサイトにアクセスが集中致しました。それらの番組を拝見するにつけ、皆さんの「霊」に関する知識は、こうしたテレビメディア側が提供する情報にかなりの割合で依存しているものなのだなと感じ、非常に危なっかしい思いで危惧をしています。


「篁霊祥命」へのご依頼内容は多岐にわたりますが、時折ご自身の身に起こっている不可解な出来事が「霊障(霊的な障り)」によるものなのではないかとお考えになり、心身ともに疲弊なさっておられるケースが見受けられることがあります。


実は「篁霊祥命」の鑑定を始めて最初に受けたご依頼は、まさにその「霊障」でお悩みになられている、とあるマンションにお住まいのご夫妻からのものでした。部屋の中で見知らぬ人影を見たり、ラップ音が相次いだりするので大変困っているというご相談でした。


占術とは分野のかけ離れたご依頼ではありましたが、実際に現地のマンションにお伺いして様々な検証を行ないました。そうして分かったのは、このマンションの立地と構造が「霊」が立ち入り易い環境だったのです。つまり「霊」による「障り(障害)」というよりも、「霊的な影響を受け易い土地環境、マンションの構造」を持っていたのです。


しかしこうしたケースは非常に稀で、ご相談頂く95%以上は「霊的」なものではなくご本人の「心」そのものに原因があるといえます。


これまでご相談を頂いた、いくつかの例を挙げてお話ししたいと思います。


例1:『人の気配を感じる、人影を目撃する』


普段、ご依頼頂く案件で霊的な問題は数こそ多くはありませんが、その中で顕著なものが、この「人の気配」「人影」を見るというものです。


こうした状況が常態化している場合は「統合失調症」または「解離性障害」を疑うべきかもしれません。気配や人影を感じたり、目撃するのは大抵夕方から夜にかけて。また不安や寂しさなどが極まる時間帯に多いのが特徴です。


「統合失調症」が幻覚や幻聴を伴うのはよく知られています。


「解離性障害」については、一般ではあまり認知が深まっていないかと思われますので、少しお話ししたいと思います。


「解離性障害」には「離人症・現実感の喪失」「解離性遁走」「解離性健忘」「解離性もうろう状態」「解離性てんかん」「カタレプシー」「解離性同一性障害」などの数多くの種類があります。


簡単にこの「解離性障害」を説明すると、自分が自分であるという感覚が失われたり、希薄になる状態です。自分に関する部分的な、ある出来事がすっかり記憶から抜け落ちてしまったり、時には自分の名前、住所、家族など、これまでの自分の生活史を全て忘れてしまう「全生活史健忘」に至る場合もあります。


「解離」とは何が「解離」した状態なのでしょうか。


人は記憶や意識、知覚、アイデンティティ、人格といったものを統合して生きています。しかし強い情動体験によってこの統合性が一時的に失われます。これが「解離」の意味するところです。


「解離性障害」は心因性の障害で、学校でのいじめ体験や、ネグレクト・虐待・両親の不仲・親の支配的な子育てといった親子関係に起因する体験、愛する人の死など強いショックを受けるような体験などが発症の要因として挙げられます。


この「解離性障害」で顕著に見受けられるのが幻覚症状です。部屋の中に誰かがいるような人の気配を感じたり、人影が走り去るのを見たり、時には声が聞こえたりすることもあります。


また最近、ようやく知られるようになって来た「発達障害」の二次障害としても、この「解離性障害」の症状を呈することがあることも忘れてはなりません。比較的「発達障害」が軽度であったり、親や周囲の人々が「発達障害」であることに気付いてあげられない場合、その子供に対する適切なケアやサポート、声がけが行なわれずに、本人が過剰なストレスを被ってしまい、その結果として「解離症状」へ至ってしまうこともあるのです。


そうした背景が「人の気配を感じる」「人影を見る」という状況に繋がってしまうことがあるのです。もし、そのような状況があり、それを「霊によるものだ!」と断定する前に、しっかりとご自身、そしてご家族の持つ心の問題や、歴史に踏み込んで、直視しなければなりません。


勿論、全ての原因が「心にある」とは申しませんし、本当に「霊的な要因」である可能性もあります。しかし、それを「霊によるものだ」と軽々に断定したり、恐れたりするのではなく、疑ってみる、あらゆる可能性を考えてみる、という姿勢は非常に大事なことです。


例2:『お供えをした水などが泡立つ』


お仏壇や祭壇などに供えた水、またはしばらくテーブルの上などに置いておいたコップの水に気泡が出たら、それは「霊障」であるという言説がネットなどで流布されて、それをお読みになった依頼者の方が「自分の家でも同じ様なことが起きる」と心配されてご相談になられたことがありました。ネットなどではコップの水に気泡が出ると、家の中に不成仏霊や浮遊霊がいる証拠だと書かれている記事が目立ちます。


しかしこの言説は全く根拠のないものです。科学的に考えてみましょう。


液体(水)には気体(空気)が最初から溶け込んでいます。液体(水)の温度が低い場合は気体(空気)の溶解度が高くなる傾向にあります。つまり温度が低い液体(水)ほど気体(空気)が上手く液体(水)の中に馴染んでいます。しかし液体(水)の温度が高くなって来ると液体(水)に溶け込んでいた気体(空気)が液体(水)から分離されます。その気体(空気)こそが気泡です。

例えば水道の蛇口から出してすぐの水や、冷蔵庫に入れて冷やしていたミネラルウォーターをコップに注いですぐは気泡は見られません。しかしそのまま放置していると常温になりますから室温が高ければ高いほど(温度差によって)、コップの水に気泡が現れます。これは正常な科学的現象なのです。


ネットには、こうした現象が霊によるものだと断定的に書かれている記事が多く見受けられますが、それはコップに注いだ水や、祭壇などに置いた水が、注いでから時間が経過したもので、水の温度が上がって水の中から空気が分離したものだと分かります。


霊が水の中に気泡を発生させたとして、それが生きている我々にどのような効果を発揮し、どういうメッセージを与えられるというのでしょうか。そもそも我々が気泡の存在自体を意識しなかったり、気付かなかったり、問題にさえしなかったとしたら、それで完結してしまうのです。その辺りを冷静に考えてみなければなりません。


例3:『部屋で物音がする(ラップ現象)』


こうした部屋の中で発せられる奇怪な音を経験した方はかなり多いと思います。

また「ラップ現象」という言葉も非常にポピュラーで子供でも知っているはずです。

「ラップ音」は何故、夜聞こえるのでしょうか。これには2つの原因があります。

1つは単純明快。周囲が寝静まり、外の雑踏もほとんどないために聞こえ易いこと。「ラップ音」と思ってしまう音の数々は、日常のあらゆる場面で昼間でも鳴っています。しかし、周囲の騒音に掻き消されてしまっていたり、気にならないのです。


もう1つは温度や湿度変化によるものです。夏や冬に家族団欒の時間は冷房や暖房の電源を入れていらっしゃるかと思いますが、就寝する時には消される方がほとんどだと思います(夏の間だけは寝室の冷房をつけている方もいらっしゃると思いますが)。


家族団欒が終わり、就寝する時になって決まって「ラップ音」がすると訴える方は多いでしょう。冷房や暖房の電源を切った後に「ラップ音」がするという1つの傾向があります。

室内の温度や湿度が変化すると、部屋の中にある木材やプラスチックなどが微細な膨張や収縮を始めます。この時に軋むような音や、パンッ、バシッというような音がするのです。これに加えて周囲の静けさもあって更に際立って聞こえます。


冷房や暖房をつけていたって音がする!という方もおられると思います。

その原因の1つに挙げられるのは「低周波振動」です。


人が聞き取れる音の周波数帯は20〜20000hz程度だといわれます。これより低い振動数を持った音は直接的には聞こえませんが、空気振動となって部屋の中に伝わり、何らかの音(建具のガタツキ音など)が聞こえたり、体調を悪くしたり(頭痛や耳鳴り、自律神経失調症など)します。

環境省がまとめた「低周波振動」の主な発生源は以下の通りです。


◎送風機(送風機を用いる集塵機、乾燥機、空調機冷却塔等) ◎往復式圧縮機 ◎ディーゼル機関(ディーゼル機関を用いる船舶、非常用発電装置、バス、トラック等) ◎真空ポンプ(ロータリーブロワ、脱水ポンプ) ◎風車 ◎振動ふるい(類似の振動コンベア、スパイラルコンベア、破砕機等) ◎燃焼機械(ボイラー、加熱炉、熱風炉、転炉、焼結炉、焼成炉、電気炉、ロータリーキルン、キューポラ等) ◎ジェットエンジン(ジェットエンジンを用いる航空機)、ガスタービン(非常用発電装置等) ◎ヘリコプター ◎機械プレス ◎橋梁 ◎鉄道トンネル ◎治水施設(ダム、堰堤等) ◎発破 ◎ガスエンジン ◎水車 ◎変圧器


マンションなどで多いのは、共用部にある「給水ポンプ」の振動です。

「給水ポンプ」ですから断続的に音がするはずですが、空気振動となって配管を伝わり各部屋で鳴る音は、まるで「ラップ音」の如く聞こえる場合があります。


またこうした「低周波振動」では体調も崩すことから、「ラップ音」の原因を「霊」であると断定する姿勢があると、この体調の悪化を「霊障」だと信じ込んでしまう危険性もあります。


部屋の中で音がして気になる、それが「ラップ音」でないかと心配されている方は、環境省が挙げている発生源の近くにご自身が住んでいないかを確認し、気になるようであれば「低周波音」の測定を専門としている業者さんなどに、測定を依頼してみて下さい。


この他にも、雨樋から落下する水滴の音を、ドアをノックする音だと恐れていた方もおられましたし、地盤沈下や建物の欠陥、老朽化によるものもあります。

私自身、以前住んでいた家で終始、奇妙な音がし、しかし霊的な不穏な雰囲気を感じなかったので、部屋中を調べて、音の正体をつきとめたことがありました。それは部屋のプラスチック製の建具の一部でした。


不用意に恐れずに、冷静に原因を追求してみましょう。


例4:『日中の異常な眠気』


こちらもご相談の多い案件です。中には霊能者に相談をし「霊障」だと断言されたことを信じきってしまい、除霊と称して多額の料金を度々請求された挙げ句、日中の異常な眠気が良化しないばかりか、体調は心身共に悪化の一途を辿っているという状況下でご相談に来られた方もいらっしゃいました。


日中の異常な眠気の代表格の症状に「睡眠障害」があります。

その中でも有名なのは「ナルコレプシー」です。


「ナルコレプシー」では「昼間の耐え難い眠気」の他、笑ったりビックリしたりすると全身の力が抜けてしまう「情動脱力発作」、寝入りばなに出現する金縛りのような症状を呈する「入眠時幻覚」が主な特徴となります。


多くは10歳台で発症しますが、中年期以降にも発症することが稀にあります。「昼間の耐え難い眠気」を10歳台の若い時期に発症し、30歳以降に「情動脱力発作」が発症するなどといったこともあります。


私が会社員をしている頃、「ナルコレプシー」を持っている同僚がいました。彼は会議中や、デスクワーク中、友人との雑談の最中、食事中など場面を問わず、突然眠りに落ちてしまうので、会社や同僚達からの評価は「怠け者」「変わった奴」「夜遊びのし過ぎ」など散々でした。彼はお酒さえほとんど飲めない、会社が終わったら真っ直ぐ家に帰るほどの真面目な人間だったにも関わらず。それだけ「ナルコレプシー」という病気が世間に認知されていない証拠でもあるのです。


「ナルコレプシー」の原因はまだハッキリと究明された訳ではありませんが、オレキシンという睡眠と覚醒の調節を担っている脳内物質が発症に関係していることが分かって来ています。


「ナルコレプシー」での日中の眠気は、前夜眠れたか、眠れなかったかは全く関係がありません。どんな長時間安らかに眠れたとしても、突然逆らえないほどの強力な眠気が襲って来ます。これはほとんど毎日起こります。適切な治療が行なわれない限り(病気だと気が付かない限り)数年から数十年に渡ってこの症状は続きます。


「ナルコレプシー」での睡眠時間はおおよそ20分から30分で、目覚めた後には比較的スッキリしています。しかし1〜2時間後には再び同じような強力な眠気が襲って来ます。


「ナルコレプシー」の睡眠時間は1回で20〜30分なのに対し、数時間眠ってしまう症状もあります。これを「突発性過眠症」といいます。


さらに睡眠時間が長くなり16時間以上も寝てしまうという症状は「反復性過眠症」といいますが症例はそれほど多くはありません。


また女性では生理周期の乱れや睡眠の質の低下によって引き起こされる「眠気」があります。主に「更年期障害」によるものと、「月経前症候群(PMS)」が挙げられます。

これは卵巣の黄体から分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の催眠作用によるものだと考えられています。

日中の眠気でお悩みの方は、これをすぐに「霊障」と断定せずに、ご自身の普段の生活や環境、年齢を考慮して、冷静に状況判断をしてみましょう。そして不安ならば一度、心療内科や婦人科など専門医の診断を仰ぐべきでしょう。


「霊障」という問題を考える時、ほとんどの方は「霊能者側」の視点に、丸投げで乗ってしまっているように感じます。ある症状を「霊障」だと断定すると、それを覆したり、訂正してくれる人はいませんし、それを証明してくれる第三者もいません。それが「霊障」であった方が都合が良いという人がいるということも理解しておくべきです。


そして「霊能者側」の視点ではなく、「霊側」の視点に立ってみれば一番分かり易いのです。「霊」がそのような症状に人を導いたとして、それが「霊」にどのような利点があるのか。それで何を生きている者に伝えることが出来るのか。一般で「霊障」といわれている症状のほとんどは、「霊」の生きている者へのアピールとしては不合理なものが多いことに気付くでしょう。


ご自身の生活に悩みを抱えて心を痛めておられる方は、自分の納得出来ない、許容出来ない、お辛い現状をどうにか自分なりに解釈しようとします。そうした時にネット上で検索をして、明らかに霊的な道理から外れた記事をお読みになって影響を受け、自分の状況が「霊」によるものだと断定してしまい、直視すべきことから目を逸らさせてしまうことになります。


私が再三、ブログやコラムなどを通して訴えているのは、そうした人の弱さ、愚かさ、無知さにつけこむのが「低級な霊」であるという事実です。


霊が原因でないものを「霊」だと決めつけ、全ての物事に対して「霊的」な解釈をし、自分の反省すべき点を反省せず、知るべきことがあるにも関わらず頑に知ろうとしない、何かから目を逸らし、自分の心をないがしろにしている在り方にこそ「低級霊」は居心地の良さを感じて近付いて来ます。「低級霊」に魅入られれば、同じような心の状態を持った者同士で集います。


「霊障」だと決めつけてしまう前に、今の自分の心と向き合ってみましょう。 そして自分の周囲を取り巻くものを冷静に見渡してみましょう。


現在、当記事は加筆修正した上で"女性の心と体を調えるスピリチュアルメディア「AGLA(アグラ)」"で掲載されております。以下のリンクからお読みになれます。


『不可解な出来事は霊障(霊的な障り)のせい?』


公式サイト内のブログをAmebaブログにも投稿しております(2018.8.16開設)

是非フォロー下さい。

『篁霊祥命師 マーク・ケイOfficialblog ELEMENTAL』

*Blog更新情報の配信希望はこちら


「篁霊祥命」墨絵護符(墨絵+神折符)受注頒布中


#霊障 #霊 #憑依 #障り

12/31/2018

鑑定のご案内

03/05/2019

ブログ 更新

Please reload

上の項目への遷移はメニュー表示からも可能です。

Copyright © 2010 ELEMENTAL WORKS All Rights Reserved.

魂の陰陽占術師
  • w-facebook
  • Twitter Clean
  • w-flickr

​本サイトはSSL暗号化通信

により保護されています。

This site was designed with the
.com
website builder. Create your website today.
Start Now